電気屋のおばちゃん
2005.12.3(土)
先週、ESTスコラーズとの合同練習のために津へ行った。バーバラちゃんに練習の録音を頼まれていたので、MDを持って行った。ディスクを切らしていたので、どこかのコンビニで買おう、と軽く考えていたのがことの発端。
入ったコンビニには、MDらしきものはなかった。店の人に聞いても、「ないみたいですね…」という返事が返ってくるだけ。仕方なく、そのコンビニではオキシデントの乾電池と飲み物を買った。次の店でも見あたらない。結局、津市内に入ってから練習場所を通り過ぎて売ってそうな店を探す羽目に。その通りは商店街で、専門店がずらりと軒を並べている。
「文房具屋にあるんちゃうか?」
と言って車を止めようとする運転手(髪々の黄昏)。あるわけないやん!しらゆきさんと二人で、ブーイング。下りて買うのは運転手じゃないからね。
やっと見つけた小さな電気屋さんに駆け込んだ。出てきたのは年配のおばさん。すがる思いで話しかける。
「こんにちは〜MDのディスク、欲しいんですけど…」
「MD?ええと…MDねぇ…」
おばさんは、店の入り口にあった、埃をうっすらと被った棚に戸惑いながら手を伸ばす。テープと、DVDと…ななな、なぬ?MDは??・・・んん?これかな?奥の方に10本組で隠れてるものがある。でも随分ケースが分厚いなあ。
「これだと思うんですが…」
わたしが自信なさげに問うと、おばさんは、
「これ、MDてすよね〜??」
と、わたし以上に自信なさげに、あろうことかわたしにお尋ねになる。
わたし 「recordableMDって書いてありますから、そうだと思いますよ〜。」
「そうだよねぇ…これ、いくらかなあ。値札貼ってないねぇ。いくらだろう…ごめんねぇ、こういうの疎くてねぇ…安かったら、10本まとめて買いますか?」
「は…はい。お願いします。」
おばさんは携帯を取りだして、誰かに電話をかけ、値段を尋ねた。聞かれた相手もわからないらしい。電話の向こうで、カタログを取り出して型番を確かめている。やがて、おもむろに電話を切ったおばさん、
「1000いくらて言うてるけど、1000円でいいわ。」
と満面の笑みを浮かべた。
かくして、無事に手に入れた10本ものMDを持って(使ったのは結局3枚)練習会場に向かった。得をしたのか、しなかったのかはわからないけど、おばさんとのほのほのした会話に、なごんでしまったよ。
しかし、おばさんの名誉のために付け加えておく。話の途中でやってきた少年には、電話をかけながらずばっと電球を渡していた。MDには疎いかもしれないが、電球には、プロであった。
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