活動の記録



2005年8月6日(土) 第10回しが・ヴォーカル・アンサンブル・コンテスト 出場・金賞受賞(3回目)

             (滋賀県合唱コンクール中学校・高等学校部門 併催)


             主催:滋賀県合唱連盟
             後援:滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、朝日新聞大津総局
             会場:滋賀県草津市 草津文化芸術会館
             
             審査員:
                  伊吹元子先生(ピアニスト)
                  伏見  強先生(奈良県合唱連盟副理事長、奈良文化女子短期大学教授)
                  高嶋昌二先生(大阪府合唱連盟副理事長、淀川工業高校グリークラブ指揮者)

団体集合前、草津文芸のロビーにて


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2005年8月7日付 朝日新聞滋賀版
(朝日新聞大津総局さんのご好意で転載許可済みです)
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表彰式−もっさんが代表して受賞 前列左から、高嶋先生、伏見先生、伊吹先生

打ち上げ&新入団員歓迎会
若者テーブルその1
打ち上げ&新入団員歓迎会
若者テーブルその2・・・??

 

タイムスケジュール

団体名 [地域:母体団体]

開始

時刻

   
平成17年度滋賀県合唱コンクール【中学校部門】
1 志賀中学校音楽部 [志賀町] 20 13:32 指揮:池田真理子 ピアノ:佐々木秀子
少年少女の為の合唱組曲「のびる」より
  木いちご  大田倭子作詞、大田桜子作曲
合唱のための楽しいエチュード3 より一ばんぼしまどみちお作詞、松下耕作曲

2
甲南中学校選択音楽 [甲賀市]

66

13:23
指揮:廣嶋由香子
 「わたしと小鳥とすずと」から
草原の夜 金子みすゞ作詞、松下耕作曲
あわ雪   金子みすゞ作詞、松下耕作曲

金・関西大会へ
平成17年度滋賀県合唱コンクール【高等学校部門】
参加団体なし
第10回 しが・ヴォーカル・アンサンブル・コンテスト
1 アンサンブルSestina
  [女声コーラスWINDSなど3団合同]

6 14:10 QUARTRE MOTETSより
Tota pulchra es Maurice    DURUFLE作曲
Ave verum corpus  Francis POULENC作曲
EIGHTMADRIGALSより
The Nightingale      Thomas WEELKS作曲

2 ハモリーナ [草津市・草津エコー]

11

14:18 ピアノ:田所政人
寺田修司の詩による6つのうた「思い出すために」より
ぼくが死んでも 寺山修司作詞、信長貴富作曲種子(たね)    寺山修司作詞、信長貴富作曲

3 アンサンブル湖音(こと) [?]

9 14:26 指揮:堀保司
Ave Regina coelorum
 Giovanni Pierluigi da Palestrina作曲
O sacrm     Tomas Luis de Victoria作曲
A Christmas Motet
  Giovanni Pierluigi da Palestrina作曲

4 ミュージックランド [?]

7 14:34 ピアノ:中村和美
LOVE LOVE LOVE
吉田美和作詞、中村正人作曲、源田俊一郎編曲瑠璃色の地球
 松本隆作詞、平井夏美作曲、源田俊一郎編曲

5 ラッコ会 [京都市山科区] 9 14:42 指揮:松本亜紀子
Il Bianco e Dolce Cigno Jacob Arcadelt作曲
O song    Vic NEES作曲

6 あふみヴォーカルアンサンブル
  [長浜市]
12 14:50 Il secondo libro de madrigali a cinque vociより
Ecco mormorar l'onde
Torquato Tasso作詞、Claudio Monteverdi作曲
Six Madrigalsより Vita de la mia vita
 Torquato Tasso作詞、William Hawley作曲

7 ノース・スター [草津市・草津エコー]

8 14:58 『はたおりむし(「白いうた青いうた」より)』より
北極星の子守歌
  谷川雁作詞、新実徳英作曲・編曲

8 イル・リゾナーレ [栗東市]

12

15:06 指揮:前川裕
Jubilate Deo    Arild Sandvold作曲
うさぎ  日本古謡  増田順平編曲
かたつむり 小学唱歌  増田順平編曲

休憩 15:14- 15:40    
講評、各賞発表、表彰 15:40- 16:00    
個別講評(練習室1) 16:00- 16:30    


全体講評概要−高嶋先生−

 まず中学校のコンクールの方では、2校だけというのが少しさびしかったが、いい演奏を聴かせてくれた。
 経験の少ない中学生がコンクールに出てくるので緊張していたからだと思うが、表情が硬かった。表情が硬くなると声も暗くなる。どんな悲しい歌寂しい歌を歌うときでも、声の基本は明るい声。眉毛と頬骨を高くすることが必要。
 指揮者に向かって一生懸命歌っているが、指揮者は見えていたら良く、見るものではない。指揮者を通り越して会場の一番後ろにいる人に向かって声を届けようと思って歌うこと。ステージに立ったら、「緑のおじさん」(非常口表示)を探してその人に向かって歌うこと。それだけでもずいぶん変わるので心がけて。

 後半のアンサンブルコンテストは、大人ばかりの演奏で、さすがに手馴れた演奏をされるところもあり、非常に楽しく聴かせていただいた。団によって言うことはまちまちだが、もう少し楽譜を読まれた方がいいのでは、と共通して思った。それも、ただ真面目に読むのではなく、その楽譜に表されている裏側に何があるか、を読むこと。例えば8分音符が並んでいても、均等に「パパパパ」と歌ったらいいものなのか、「パーパパパ」と歌ったらいいものなのか、全部曲によって違う。それは、時代、曲のスタイル、どんな歌詞をいっているか、によっても違う。時代による様式とか、曲の持っている音楽の進め方とか、たとえば、行進曲なら、今朝甲子園で大会歌を歌わせてきたが、行進曲はインテンポでないと歩けない。アゴーギグなんかついたらだめ。でも、歌の場合はそういうことは少ない。必ず音符の長さは、ニュアンスによって変わる。言葉のルバート、アゴーギグであったり、音楽のルバートであったりするのだが、そういうところまで読み込めて演奏されているところは非常に少なかったと思う。
 逆に、楽譜を読むといっても、「p(ピアノ)」と書いてあって、それは「弱く」歌うのではない。静かなだけで、もっと大きな声がいるところもあるし、「f(フォルテ)」は、大きいのではなく、息の流れが速いだけ。まず「fを大きく歌う、pを小さく歌う」というところに間違いがある。アンサンブルは人数が少ないので、100人200人で歌う「p」とは当然違う。pでぜんぜん聴こえてこないことや、fでめっちゃうるさいということがある。「p」は小さいのではない、「f」は大きいのではない。特に大切なのは「p」。大きな声で自分の感情は]絶対言いませんから。「f」は声の豊かさを聴かせるところ、でも本当に言いたいところは「p」で言う。その「p」は、人数によって一人一人の出す音量も変わる。当然ピアニストも同じで、「f」と書いてあるから「ダーン」と弾いたら合唱は何も聴こえなくなってしまう。「p」で小さく弾く、「f」で大きく弾く、ということでなくて、アンサンブルですからバランスを考える。「p」「f」を自分の声の中だけで表現してしまうと説得力のない、流れに乏しい音楽になってしまうので、そういう意味も含めて「楽譜をよく読む」「楽譜の裏にあることを見る」こと。
 それから、テンポもそう。テンポが書いてあるが、違うテンポで平気でやっているところもある。それよりもこっちがいいから、ということであれば説得力・新しい魅力も出てくるが、練習の過程でどんどん速くなってそのまま、どんどん遅くなってそのまま、というように感じた。

そういう意味で楽譜をしっかり読むということを心がけてこれから演奏されると良いと思う。

個別講評概要−高嶋先生−
 普通、「あふみ」と書いて「OUMI」と読むのでは?

−そうなんですけど、「AFUMI」という響きが気に入っていますので。

 すごく手馴れた音楽で繊細な印象。「上手」であることを前提に言うと・・・
 マドリガルにしては、少し重たかった。これ(モンテヴェルディ)は、去年の全日本の課題曲だが、テナーの出だしとても低いので、もうちょっとよく鳴らさないと聴こえてこない。2曲目も、ベースの出だし「p」だけれども聴こえてこなかった。あれ、はじまったのみたいな感じ。「p」でも、空間に合わせて、空間を満たす「p」でないといけない。ここ(歌い手のところ)で「p」でなくて、空間が「p」であること。アルシス・テーシスの感じがちょっと弱い。ちょっと横に流れすぎているので、マドリガルの時はもっと軽やかに。アルシス・テーシスを感じて。宗教曲の時はそこまでやらなくていいが。出だしの「Ecco mormorar l'onde」で言えば、「l'on」で体重が前にかかって、舞い上がるともっと音楽がよくなる。まじめに聴こえてしまう。「宗教曲なん?これ?」みたいな感じ。

 それと、発声の面では、特に女声とベース、喉につく。喉で鳴るので、もう少し体から離して、息の流れを作ってその流れに乗せて声を運んだ方がよい。「鳴っている音」「鳴らす」のではなく「息を送る」こと。例えば「プロペラ」の音、巻き舌で息の流れだけで歌うことも練習のひとつの方法。みなさんは、アンサンブルだからと思っているからか、少ない息で効率的に歌おうとしている。それが逆に喉につく。もっと息をたっぷり使って歌った方が声が向こうまでいく。ここ(会議室)で歌ってもらったらきれいなのだけれど、ホールで聴くとそこで止まった声。特にソプラノ2あたりにそれが聴こえた。喉につくから、メリスマの軽さが出ない。息の流れでいった方が、3度のメリスマはもっと軽やかに聴こえる。だから声をもうちょっと離した方が。年齢が上がってくるとどんどん喉に頼ってくるので、お腹の力で、息の流れで声を出していくこと。ベースも喉でなく常に頭声で。喉に来ると絶対ハモらない、音程も判りにくくなる。「Vita de la・・・」の出だしも頭声で明るい声で向こうへ持っていくこと。喉につくと、音程がゆれる。今日も最後アルトが上ずったりしている。

 最後の和音を安定させるには、導音をもっと低くとる。女声が導音歌うところ、たいてい上ずっている。下がりきらない。日本人は導音をピアノの音より高くとる癖があるが、ピアノの音より低くとること。第3音の音は絶対低くとること。アルトとテナーによく出てくるので、導音を絶対低くとって。

以上のようなことを意識されてまた頑張ってください。初めて聴かせていただきましたけど素晴らしかったです。