活動の記録



6月23日(土)タリス・スコラーズ2001年来日特別企画
        ピーター・フィリップ氏による「ルネサンス・ポリフォニー公開レッスン」受講
        (主催:財団法人栗東町文化体育振興事業団/共催:栗東町 栗東町教育委員会/後援 滋賀県合唱連盟)

        会場:滋賀県栗東町立栗東芸術文化会館さきら 大ホール=JR琵琶湖線栗東駅下車約5分

両団で、呑気にも記念写真を撮っていたら・・・・


そこへ、フィリップ氏登場。ご一緒に、「ハイポーズ!!」

  16:00〜17:00(開場15:45)
  入場・聴講 無料(但し、公演のチケット購入者に限る。)

  16:00〜16:30 Coro Estrela
       パレストリーナ「ミサ・ブレヴィス」より 「アニュス・ディ」
        ギボンズ「ああ、恋しい人 Ah! dear heart 」

  16:30〜17:00 あふみヴォーカルアンサンブル
       ウィリアム・バード「アヴェ・ヴェルム」 
      
ジョスカン・デ・プレ「パンジェ・リングァ」より「キリエ」
 

          


レッスン内容

舞台裏
レッスン前の顔合わせの前。
アレグロミュージックの社長さんに挨拶と説明を受けた後、両団とも呑気にも(?)合同の記念写真を撮っているところへ、フィリップ氏(以下F氏)登場。
歓迎の拍手で、そのままF氏を中心に記念撮影。その後、Estrelaのお嬢さんが、流暢なえげれす語を駆使して、ピーターさんにサインをもらう。以下、堰を切ったようにサインをねだり、即席のサイン会・・・
(オイ、レッスンマエダゾ・・・)
結局、ほぼ全員がサインをもらった模様。その間、F氏、笑顔を絶やさず。(オー、ジェントルマン!)
F氏から直接、両団に記念のCDが贈られ、いよいよレッスンへ。
最初はEstrelaさんなので、あふみの面々は、客席へ。見学者は、予想をはるかに越えた大入り。(300人弱くらいでしょうか?)
Coro Estrelaさんのレッスン
1.パレストリーナ「ミサ・ブレヴィス」より 「アニュス・ディ」
Estrelaさんが舞台に並んだ後、F氏が登場。拍手の中、客席の1番目の席へ。
まず、Coro Estrelaさんがパレストリーナ「ミサ・ブレヴィス」の「アニュス・ディ」を通しで演奏。

そして、F氏が客席から直接舞台に上がるが、通訳さん(あの東京少年少女合唱隊のOGだそうです。)との位置取りに少々手間取り、笑いを誘う。
F氏「最初から最後まで、全体的にF(の音)で終るようなつくりになっていますよね。非常に技術的にも優れたものだと思います。
基本となっているキーがしっかりされているので、まとまりが出たんだと思います。
特にバスやアルトの音程がしっかりしていたと思います。
正しいかどうか判りませんが、はじめのアニュスディの時に、アルトを歌われていた方が、2番の方でソプラノを歌ったりと言うことは?」
(Estrelaの女声うなづく)
F氏「あぁそうですか。すごく難しいことですよね、同じ曲の流れ中でソプラノを歌っていらした方が、アルトを歌うというのは・・・。大変だったろうと思います。最初に上のFを歌われた方が、次どうされるのかと思って期待半分ちょっと不安げに見ていたんですけれでも、また違うところを歌われていたので、ビックリしました。とってもいい仕上がりになっていたと思います。

ごく一般的にも良くあることなんですけれでも、ソプラノの方、高音の部分が難しかったのではないか、と感じました。高い音に行った時ほど、声をもっと強く出して大きくするように心掛けませんと、低い音よりも弱くなってしまうんですね。残念ながらやっぱり、高い音になっていくと、声がちょっと弱くなっていかれるんではないか、という印象を持ちましたので、そこら辺の所、気をつけていただけるといいと思います。

パレストリーナ独特のフレージングだとも思うんですけれども、ひとつひとつのフレーズが高い音のところでクレッシェンドに入って、フレーズが終るところでデクレシェンドになるというようなパターンがあるわけですね。ですから、それを忠実に守っていかれるとパレストリーナらしい美しい曲になると思います。最初、やっぱり緊張されていたんじゃないかと思います。それで、出だしのところよりも最後の方が良かった気がするので、申し訳ありませんが、もう一度最初のアニュスディのところだけ、ちょっとで出しをお願いできますでしょうか?」

(Estrelaさんが最初の部分を演奏)

「パレストリーナの典型的なフレーズとも言えると思いますが、低いFで始まって比較的緩やかな流れで始まったところが、高いCですとかFまで行った時に更にクレッシェンドしなくてはならないわけですね。この強いクレッシェンドのまま、引きずってデクレッシェンドに持っていくということろなんです。17小節目からどのパートも比較的そういうようなパターンに沿っていると思いますので、そこの部分だけ歌ってみていただけますか?同じようにクレッシェンドして高い音に持っていくということなんですが、お願いできますか?」

(Estrelaさん演奏)

「ずいぶん良くなったと思います。いい感じになってきましたね。もう一度歌ってみていただけますか?せっかくの広いホールですので、一番後ろの方に届くように歌ってみましょう。

(Estrelaさん演奏)

F氏「どうもありがとうございました。やっぱり強く歌ってくださると、もっと曲に深みが出ると思いますので。声は大きく、しかしやさしく歌うということによって、声の幅がはるかに広がりますので、そういうことを心掛けながら続けてください。」
2.ギボンズ「ああ、恋しい人」
F氏「次の曲は、オルランド・ギボンズというイギリス人の書いた曲です。この方は、シェークスピアと同年代で、非常に難しい音楽を書く方なんですけれども、この作品は教会音楽です。そして、これは英語で書いてありまして、通常こういったものはラテン語が多いのですけれど、そう言う意味で特徴があるかと思います。この曲はマドリガルというスタイルで書かれていますが、マドリガルと言うのは一般的にはもうちょっと軽い感じのものが多いのですけれども、ギボンズが書くとかなり難しい作品になっているいるようです。」

(Estrelaさん通しで演奏)

F氏「マドリガルの一面として良く言われることは、パート・パ―トが複雑に入りこんでいますよね。ですから、バスなのにテナーより高いキーを歌ってみたり、テナーなのにバスより低い音であったりといったことが生じるわけで、歌い手の方にとっては、非常に難しい複雑な部分があると思うんです。一番端の方が高い方のベースを担当されていると思うんですが、そして、次の方がベースの低い部分を歌っていらっしゃるんですか?」

(2番目の男声)「テナーです」

F氏「じゃ、ベースの方はお一人だけなんですか?じゃ、テナーが3人で、ベースがお一人なんですね。すいません、私が誤解しておりました。やはり、音の強さから申しますと、3人の方が一つのパートを歌ってらやっしゃる時に、一人だけというのは、音の強さ・音量などいろいろな問題が生じやすいので慎重にご検討いただきたいと思います。でも、(べースの方が)お一人ですごく上手に頑張っていらしたと思うので、称えたいと思います。(会場拍手)
多分、会場の皆さんは楽譜をお持ちでいらっしゃらないので、お判りになるかどうか判りませんけれども、バスの方が、テナーと同じ音域のかなり高い音までお一人で歌っていらっしゃるということを一言付け加えさせていただきたいと思います。ギボンズという作曲家は、「目の輝き」というところを強調するために、その前の数小節から1オクターブも上げて、わざわざ強調するわけですね、バスの歌い手に。先程もお話致しましたように、パレストリーナの音楽同様に、やっぱりここではバスの方が1オクターブ飛ぶにもかかわらずクレッシェンドしていくということが大切なんですけれども、他のパートの方は、バスが主役ですので、それをフォローするような形でサポートしていただけると一番いい形になると思います。
かなりゆっくりなんですけれども、もう一度はじめから始めてみていただけますか?特に三小節目の「the light」で始まるところから、バスの方の歌い方に注目しながら、皆さんで聴かせていただきたいと思います。
じゃ、もう一度全体を聴かせていただけますか?」

(Estrelaさん演奏、バスの上昇音形が終ったとことで、F氏がストップ)

F氏「バスの方がクレッシェンドすることは、先程もお話しましたけれども、他のパートの方も是非ご一緒にクレッシェンドなさってください。特にアルトの方、そして、セカンド・ソプラノの方、一緒にクレッシェンドして曲の盛り上がりを付けてください。
最初の一小節目なんですけれども、ちょっとゆっくりすぎるような気も致しますので、もう少しペースアップしてもいいんじゃないかと思います。さっ、と入るように。」

(Estrelaさん通しで演奏)

F氏「とても良かったと思います。歌われた方のご感想をちょっと伺わせていただきたいんですけれども、今の方が最初に歌われた時よりもちょっと早かったですが、歌い易さという点ではいかがでしたでしょうか?

(Estrelaの方)「歌いやすいです。」

F氏「特にクレッシェンドが入ったりしますと息継ぎが大変になりますので。マドリガルというのはある意味では室内音楽の最も典型的な縮小版みたいに思えるんですけども、本当に繊細な絵のようにちょっとした仕草、ちょっとしたクレッシェンドによって、曲の趣が変わったり、色が鮮やかになったりというように聞こえてくる曲だと思います。
対照的な作品を二つ選ばれていると思います。パレストリーナは壮大な大聖堂のようなところで歌われる音楽ですし、Ah! dear heartは室内音楽で、両方の曲を上手に歌われていて良かったと思います。ただ、同じメンバーで歌うにもかかわらず、その導入の部分からまったく違ったアプローチで入っていらした方が良かったかなと感じました。パレストリーナは広いところで演奏されるものですし、ギボンズの方は室内音楽、歌われる状況も部屋もすべてが違うということを念頭において取り組まれると良いのではないかと思いました。
どうもありがとうございました。
(Coro Estrelaさん、袖に下がり、客席へ移動。あふみは客席から直接舞台へ上がる。)
あふみヴォーカルアンサンブルのレッスン
1.ウィリアム・バード「アヴェ・ヴェルム」
(あふみが通しで演奏)
F氏「(キーボードのAを鳴らして)ちょっとフラット。個人的には、Aですとこの作品は、ちょっと高すぎるのではないかと思います。一般的にはGあるはG♭のバージョンが多いと思います。この曲は基本的にはお祈りですので、やさしく歌うと言うことから、あんまり高いキーで歌うと、声にも負担かかりますし、誰もが簡単に歌えるキーということが、基本的な理念としてあると思います。ルネサンス音楽は、一般論でありますけれども、別にAで書かれているからAで歌わなければならない、ということではなくて、作曲家がAというのは一つの提案と致しまして、「これぐらいでうたってはいかがでしょうか?」という風に解釈していただいて結構だと思います。
でも、とても美しく歌われていたと思います。それぞれのパートの強さが均等であったことが作品のまとまりにつながったと思います。やはりそれぞれのパートが強調し合えるということは、客席で聴かせていただいた時に作品全体として説得力があるんでね、曲としての。
とても驚いたのは、かなり最初ゆっくり、そしてやさしい感じで始まりましたでしょ。22小節目の「Esto nobis」のところで、突然大きく早くなったような気がするんですけれども。これは、故意に、わざとそういうような演出でなさっている?」

(あふみ)「そうです。」

F氏「どなたが決めるんですか?どなたかが『ここから早くしよう』と決めるんじゃないですか?」

(あふみ)「提案があったら、実際に歌ってやってみて、みんなで決めます。」

F氏「そして、その少しあとに『O dulcis』ていうところがありますよね。そこでまたゆっくりとやさしい感じに戻るわけですね。ただ、その『O dulcis』は2回繰り返されるわけですね。ちょっと気になりましたのは、一度目の時と二度目の時が同じだった、ということなんですね。やはりチューダー王朝時代の音楽と言うのは、繰り返しという場面が多いわけですね。そういう時にこそ、やはり違った演出を一回目の時と二回目の時でなさった方がインパクトが強いと思います。繰り返しがあったときには、何らかの形で工夫をされた方が効果があると思います。言葉がやさしい言葉であるからといって必ずしもやさしくゆっくりと、という必要はないわけですね。私は、もし出来れば、一回目の時はもう少し元気良く大きな声で歌われて、二度目の時にやさしく歌われた方が変化があっていいのでは中と思います。それでは、繰り返しのところになりますが、22小節目の『Esto nobis』というところから、繰り返しの入るところを聴かせていただけますか?」

(あふみ演奏、繰り返しに入ったところでF氏がストップ)

F氏「大体そういった感じでいいんですけれども、私としては聴いている時に、もう少し同じテンポを保っていただいた方が聴きやすいのではないかと思います。リタルダンドになったり、早くなったり、繰り返しに来ますとちょっと落ち着かないような感じがします。36小節目の『miserere』といところで、また突然ゆっくりになるわけですね。ビートは同じに保ちながら、その中で表現していくというふうに心掛けていただいた方がいいと思います。ちょっと拝見していますと、すごくゆっくりになったときに、パートによってゆっくりになるなり方が微妙にズレがあるわけですね。ですから、同じビートをきちっと守りながらその中で個々のパートで表現をされていった方が良いと思います。あまり研究しすぎてバラバラにしてしまうよりも、一つの曲のそのままの形でもっと表現力を出すということは、同じビートの中でやった方がきれいに聞こえると思います。
2.ジョスカン・デ・プレ「パンジェ・リングァ」より「キリエ」
(あふみが通しで演奏)
F氏「これまで聴いてきた三曲、他の合唱団の方のも含めまして、本当に難しい曲なんですよね、これは。室内音楽の中でも極めて入り組んだ、綿密に作曲されたものでありまして、それぞれのパートが常に忙しく動いているわけですね。それ以上に困難にしている点は、それぞれの音域も広いんですね。『Kyrie』の部分はそれぞれの音がはっきり聞こえなければならない部分であるんですけれども、私共で歌っておりましても、かなり難しい部分であります。『Christe』の部分は『Kyrie』よりも更に難しくなってくるわけですね。テナーがかなり音が高くなりますし、アルトはかなり低くなりますので、そのバランスを保ちながら歌うというのが非常に難しいんですね。『Kyrie』の部分では一定のテンポで進んでいるんですけれども、この『Christe』の部分になりますと、やっぱり急にゆっくりになるんですね。それで、ゆっくりするということは、この難しさの中で決して容易にするものではなく、かえって難解なものになりますので、同じテンポで続けられた方がいいと思います。どなたかが、テンポを維持する管理責任者であるといいんじゃないかと思いますけれども。早く歌った方が簡単な場合もありますし。では、最初の『Kyrie』の部分と『Christe』の部分を聴かせていただけますか?」

(あふみが通しで演奏)

F氏「ありがとうございました。ずっとずっと良かったと思うんですが、いかがででしょうか?先程よりも大分早くなった部分ありますよね。最初に歌われたのと、今歌われたのと、どちらが本来の姿なんでしょうか?二度目に歌われた時に、最初の時よりもかなり早く歌われたように感じたんですけれども。いつも練習の時はどれくらいの感じで歌っていらっしゃるんですか?」

(あふみ)「一回目のテンポです。」

F氏「やはりスピードというのは、本来、外からこの速さで歌ってください、と強制されるべきものではなくで、それぞれの合唱団の声の持ち味とか、それぞれの歌い手さんの個性を生かすために、最もいい速さというものがあると思うんですね。作曲家のジョスカン・デ・プレさんにもお会いすること出来ませんし、実際にどれくらいの速さで歌ってほしかったのかを聞き出すことは出来ませんので。別に、メトロノームで何回という指示もまったくございませんでしょ。ですから、歌い手さんたちが、それぞれにあったスピードでお歌いになるということが大切だと思うんですね、やはり。2度目に歌われたのは、少し早すぎたかな、と思われているかもしれませんけれども、最初に歌われたときよりも、同じペースで歌われたらしたので、安定した音であったと思います。そうしますと、アルトの低い音が結構長くなりますよね、ゆっくりですと、それがそれほどの苦痛でもなく乗り越えやすいかな、と思うんですけれども。では、『Kyrie』と、2番目の『Christe』を聴かせていただけますか?どなたが速さを決まられるんですか?いつも、私は指揮者として、みんなにどういうペースで歌ってもらおうかということを常に考えながら指揮をするんですけれども。もしも端の方が、決まられるんでしたら、是非責任を持って頑張ってください。」(会場笑)

(あふみ演奏、eleisonの途中でF氏がストップ)

F氏「室内音楽ですので、弦楽四重奏のバイオリンとチェロと、といった感じと似ていると思うんですけれども、こうやって歌う時にお互いの声を常に意識して聴きながら歌うということが大切だと思うんです。今止めたところなんですけれども、その直前のところでちょっと乱れがあったように感じたものですから。歌っていらっしゃる方たちご本人が一番良くわかっていらっしゃると思うんですけれども、やっぱり室内音楽とか弦楽四重奏とかというのは、常にお互いを見つめ合いながらお互い息使いを感じて、ご自分も歌うということが必要になってくるわけですね。『Christe』からもう一度お願いできますか?」

(あふみ演奏)

F氏「ぴったり合いましたよね。どうもありがとうございました。」
質問コーナー
男性A氏「タリス・スコラーズみたいな上手いアンサンブル以外の合唱団の指揮をされることもあるのでしょうか?」(会場笑い)

F氏「ございます。但し、常にルネサンス音楽の領域の中で、ですけれども。」

男性A氏「純正律、つまり響きをきちんと美しく響かせるためのトレーニングはどういうことをなさっていますか?」

F氏「まず、調律、音程が確かであることが最も大切だと思うんですけれども、それと、声の合わさり方、ブレンドした時の音の出方が大切になります。」

男性A氏「その調律をきちんとするためのトレーニングみたいなものは?」

F氏「歌い手さんがその音域をきちんと守るということは、私が教えるべきことではなく、彼ら自身が自分で練習してくることだと、私は心掛けていますので、その辺のことは私はちょっと責任持てないんですけれども。」(会場笑い)

男性A氏「ありがとうございました」


男性B氏「指導を受けましたコーロ・エストレラです。ありがとうございました。私共のように、また、先程のあふみヴォーカルアンサンブルさんのように、指揮者を前におかずにコーラスを、室内合唱をするという形の合唱団はまだ日本では少ないかと思うんですけれども、指揮者をおかないでの室内合唱の形というのは、私たちやっていてピーターさんなんかはどう思われるのかをお聞きしたかったんです。」

F氏「歴史的に見て、それは正しい形だと思うんです。今日拝見していても、とても興味深く拝見させていただきました。16世紀のころには、やはり作曲家の方ですとか、皆さんのような合唱団のリーダーの方が指でビートを刻むというのが一般的な形であったと聞いております。室内音楽ですので、そういった意味では本来は指揮者をおかない方が本来の自然な形だと思うんですけれど、自分で自分をクビにしてしまっては仕方ありませんので。私もこの仕事を続けたいので。」(会場笑い)

F氏「室内音楽の形なので、お互いを意識して、お互いの音ですとか、息使いをきちんと感じ取ることが出来るようであれば、やはり指揮者をおかないという形が理想ではあると思います。ただ、今日二つの合唱団を拝見させていただきまして、やはり重要なことは、お互いの存在を目で確認し合いながら音を耳でとって、室内音楽の形で歌いこなす、歌い上げる、ということだと思うんですけれどもね。かなり難しいことですよね。」
男性B氏「どうもありがとうございました。」

F氏「どうもありがとうございました。」